加速する機窓の右手にビクトリア湖が見える。世界第3位の淡水湖だ。起点の町モシへと飛び立つ。フライト中、左手にはメルーとキリマンジャロがただ静かにそこにあった。ご存知のとおりキリマンジャロはアフリカ最高峰。メルー山はタンザニア第2位の峰だ。
ボクは高ぶり、抑えられないものを感じていた。意気込むボクをよそにプロペラは回転を落としていった。
キリマンジャロ国際空港に着陸すると、どこまでも続く地平が広がっていた。これが憧れ続けていたアフリカの大地。乾燥し、平らな大地が広がる場所。残念ながらウガンダではお目にかかったことが無い光景だ。ウガンダは赤道直下にもかかわらず緑豊かな丘陵地帯だからだ。大学時代の研究対象がタンザニアで、当時から憧れをもっていた。
ゲートを抜けると旅行会社のスタッフが迎えてくれた。手にはボクの名のカード。「Kaito Ofuchix 4」。なんかカッコイイ。と思ったら「×4」ね。
そう、ボクらのパーティは4人。
ボク
光成(偽名)
コナン(偽名)
ユリ(偽名)
ユリちゃんは山小屋でのバイト経験がある看護師。最も心強いメンバー。
コナンは体は子供でも頭脳は大人でその知恵を活かして・・・ではなく、某国立大学野球部員でインテリマッチョ。体力はパーティ中No1だが筋量から一番高山病の心配があるメンバー。
光成氏はメンバーの中、一番ひ弱(なはず)なのだが、高山病にならないというまさかの強みを事前登山のエルゴン(4321m)で見せつけ、メンバーからやっかみがられたダークホース。
空港からモシタウンへは40分ほどの道のり。青空にキリマンジャロ峰がたたずむ。思ったよりタイラじゃない。google画像検索を今この場でしてもらいたい。ゾウやキリンが大草原でキリマンジャロを背にその生命を謳歌する。そんな絵が出てくるのではないだろうか。ウガンダに帰って知ったことだったが、その絵、実はケニア側から見たキリマンジャロなのだそうだ。
どこかで見たことのあるキリマンジャロでなかったのは幸運だと思った。写真で見たことのある光景に出会ったならそれはもはや初対面ではないだろう?
モシタウンで旅行会社へ直行。寝袋やトレッキングポールなどをレンタルする。そしてガイドと対面・ブリーフィングをする。ガイドの名前はアウグスト。物腰の柔らかい物静かな男だ。
ブリーフィング後ホテルへ移動。それぞれのパッキングを済ませ移動の疲れをとるように床につく。ということはなく、前夜祭が始まる。「ウィスキールートだよ?」「ウィスキー買ってかなくてどーするよ?」と光成氏の発案だ。こういう時一番はしゃぐ最年長。
彼の口癖「人生で一回だけだよ?」。
そしてその夜の彼だ。これから5000mを越えようとする時にこんなことで大丈夫なのだろうか?
長く苦しくも、かけがえのない1週間が始まった。
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