Ennyanja Nalubaale- ビクトリア湖

2012/01/11

新年の楽しみと新年の課題

色々書きたいことがたまってます。
まずは、新年のイベントから。

うちの孤児院に通ってくる子供たちは全員が全員孤児というわけではありません。
3分の1ぐらいが孤児で、エイズ遺児だったり、両親がなくなり家族や親戚に引き取られた子供たちです。
残りの子供たちも認定を受けた学校へ何かしらの理由(そのほとんどが金銭面)で通えなくなった子供たちです。

日本の一大イベントが1月1日だとすると、ウガンダでの一大イベントは12月25日とイースター(移動祝日)。キリスト今日の祝日です。その日は家で育てた鶏やヤギなどの家畜をさばき、ご馳走を食べる日。

昨年のイースターでは私は鶏肉をご馳走になりました。

残念ながらクリスマスは任国外旅行でウガンダにおらず未経験。

神父の挨拶
「あまりお金のないうちの子供たちはご馳走もなかなか食べられない」ということでスタッフが子供たちを呼んで、クリスマス・忘年・新年会をまとめてすることになりました。

まずはちょっと硬い新年のあいさつから。
神父を呼んで子供たちに教育を受ける意味と大切さを説いてもらいます。

その後、お楽しみタイム。ウガンダミュージックをバンバンかけて、子供たちは踊るオドル。
そのリズム感はもはや遺伝子としか説明できません。教室がまるでクラブ。

オドル踊る

そしてお待ちかね、ご馳走。
お母さんたちの炊き出し





メニューは米(ウガンダではもっとも高級な主食)、マトケ。
スープは牛肉。
つけあわせはキャベツ。
私もこれをいただきました。これが御節です。

その後さらにクラブ。
当初の予定ではレクリエーションを考えてあったのですが、子供たちが楽しんでいたので中止、クラブを続行。


そして5時ぐらいに解散。








いつもよりオシャレ
私も踊ってみた。でもかなわない。


 結果的に子供たちが大いに楽しんでくれたので私をはじめ、ダイレクターやその奥さん(彼女もスタッフの一人)そしてヘッドマスター(校長先生のようなひと)も喜んでいました。

ただ、残念なのが大人の方。

上記以外のスタッフが来なかったことです。

あと3人いるのですが、彼らは家族で新年の行事をするのでこれないとのこと。

ダイレクターもがっかりしていましたが、12月のスタッフミーティングで「1月1日にする」と全員で決めていました。私はその時「本当に全員これるのか」そして「子供たちがそんな大事な日にこれるのか」と問うたのですが、全員が全員「自分はこれる。子供もこれるはずだ」と言っていました。

自分たちで決めたことを実行できない。多くの課題の原因はココに集約され、「参加型開発」という世界の国際協力機関が掲げる旗印の最大の欠点がココに体現されているのだと感じています。



2012/01/02

死ぬにはもってこいの年

たとえ、どんなにそれが小さかろうと、ぼくらが、自分たちの役割を認識したとき、はじめてぼくらは、こうふくになりうる、そのときはじめてぼくらは平和に生き、平和に死ぬことができる、なぜかというに、生命に意味を与えるものはまた死にも意味を与えるはずだから。
サン=テグジュペリ「人間の大地」より

あけまして、おめでとうございます。

1月1日の今日、うちの個人で子供たちを招いてクリスマスパーティー兼新年会をしました。昨日から準備して、あまり年を越した気がしません。メリハリつかないですが、昨年の事と今年の決意を少し。

昨年は私にとって大きく前進できた年ではありませんでした。

2011年1月から青年海外協力隊二本松訓練所に入所。
3月11日退所。そして被災。当時新幹線の中にいて「死んだ」と冷静に感じてその瞬間に受け入れていました。
多くの方が亡くなりました。自分もその一人になった可能性があると考えると、生きていることに感謝しています。そして亡くなった命の分まで精一杯活動しなければと出国前思っていました。
被災後の混乱の中、出国。ウガンダへ。


赴任後住居環境の悪さに蚊帳の中に引きこもったり
授業がうまくいかずがっかりしたり同僚や上司と衝突したり、いらいらさせられたり
エイズ患者の親の子のすぐ後ろに迫る「生」危機に絶望と無力感に襲われたりしました。
ほっぽりだそうと思ったことは何度も。


だけど、救ってくれる存在はいたるところにいてくれました。

気持ちよくウガンダへ送り出してくれた人たち。
日本の友人が餞別にくれた本。
ウガンダですばらしい活躍をする先輩隊員やバイタリティあふれる後輩隊員。
そして、3.11死ぬ思いをした同期隊員たち。
何より今、目の前にいる子供たち。
上げればキリのない人たちに支えられながらここまで来ました。



前に進めなかった年でした。
しかし、大きな収穫はありました。多くの種を得ることができました。
2012年、この種を大きく育てるとしだと思っています。

まだまだ、手探りの中での活動になりますが、精進してまいります。
一度死んだ身です。死んだと思って、いい時も悪い時も楽しんでいきます。

本年もよろしくお願いいたします。