Ennyanja Nalubaale- ビクトリア湖

2012/11/18

キリマンジャロ登山~3rd Day~


3800m Shira Camp    8:50~
4630m Lava Tower    12:46
3860m Baranco Camp  15:26

総歩行距離15km

 キボ峰の向こう側から現れた太陽に向かってボクらは出発した。前日の短い行程のおかげで全員の足取りは軽い。高度順応のこの日は、稜線をいくつか超え4600mのラバタワーまで登り、またいくつか超えながら3800mまで降りていく。キボ峰を常に左手に見ながらその横を抜けていく。

 高度順応は高山登山になくてならないプロセス。物事には一見、無駄とも思える行程を必要とすることがる。しかも登山の場合その無駄さ加減が顕著だ。つまり結果(登)は同じでもプロセスの難しさや違いによってクライマーの能力や技術を差別化するということだ。その「結果」や「達成感」はそのルートを選んだ本人にしかわからない。だけど、この過程や達成感は共有できるものだと信じていた。そしてそれは、多くの事柄においても同様だと信じていた。この時までは。

 ボクらのパーティはヘザー&湿原(Heather&Moorland)エリアを超えてアルパインデザート(alpine desert)に入っていった。植物が極端に少なくなり、砂漠の灰色と雲海と雪の白が世界を覆っていた。気温は寒く、風も強い。ソフトウェルジャケットをアウターにフリースをインナーレイヤーに着込む。グローブにニットキャップ。日差しは強く紫外線が容赦なく降りかかった。日焼けどめは必須携行品だ。4000mを超えると、いやがおうにも呼吸を意識して登らなければならなくなった。深く、大きく。ガイドが作るペースはじれったいほど遅かった。

 この日はバランコキャンプ泊。進む先にはバランコウォールと呼ばれる巨大な壁が立ちはだかる。その左手にはキボ峰が間近にせまっていた。アウグスト曰く「このサイトが一番きれいなんだ」。

 夕飯はいつも7時頃。メニューはスープと炭水化物、メインディッシュ、付け合せの野菜。これがうまい。山でこのレベルの食事ができるというのは本当にしあわせだった。夕飯後はいつもチャイを飲みながらトランプやウノをしながらすごす。活動のことから何気ないことまで、気心の知れた人たちと話をする。今思えば、登頂以外に、それが醍醐味の一つだった。そしてその人間関係があってこその全員登頂だったと思う。



テントの外にでると、星ぼしが所せましと夜空をうめ、こぼれたミルクが大きな河を作っていた。

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