Ennyanja Nalubaale- ビクトリア湖

2011/10/14

援助の下請け その3

今年8月、2ヶ月前のことだ。

私のいるNGOはエイズ予防啓発やHIVポジティブのグループへの支援を行っている。

UNFPA(United Nations Found for Population Activities 国連人口活動基金)

からコンドームの配布があった。大量に。
周辺の村の人へ配ってほしいとのこと。
それもただ配るのではなく、プログラムとして配布してほしいとのこと。
各パリッシュのVHT(village health team=)をとおして若い男女を集めてHIV感染予防のトレーニングを3日間受けてもらった上でコンドームを配布するというもの。
このプログラムがUNFPAから持ち込まれたものなのか、うちの配属先がアイディアを出したのか定かではない。が、多分UN側からだと思う。

私は村人集めを手伝った。
バイクで村を回って、一人ひとりに会って、口頭で時間、場所を教えてきてくれるようにお願いする。
180人を集める予定なのだが、1日に会える人はせいぜい40人。
「メールで一斉送信」
っていう方法がどれほど便利か思い知らされると同時に、これが途上国の村の人のやり方なのかと勉強する。
まあ、私はいてもいなくてもよかったから、2日付き合って、後は他のスタッフだけでいってもらったが。

トレーニングは日曜の昼にはじまった。

日時はダイレクターが決めたがその日時を聞いたとき、「あぁ、こいつ馬鹿だ」と思った。

だって、日曜ってみんな教会に行くのに。
昼からにしたって、絶対に集まらない。
それでも、彼は強引にその日時で集めたわけだ。
村人の生活に我々NGO側が合わせるのか、村人が我々NGOにあわせてもらうのか
答えははっきりしている。 ちなみにうちのダイレクターは教会へは行かない人だ。

それでそのトレーニングの初日だけ覗かせてもらったが、来た参加者は40人そこそこだっただろう。
トレーナーは別のところから呼ばれた人がしていて、HIV/AIDSに対する知識やトレーナーとしての経験もありそう。
私はこの件にはノータッチの方がよいと判断して任地を離れた。首都で先輩隊員の中間報告会があったためだ。

首都からチワンガラへ帰って、オフィスにコンドームのはいったダンボールがおかれていた。

「お、どのくらいくばったんだろ」と思い、あけてみると・・・

2ダースしか減っていなかった。
1カートン中
50グロス(1グロス=12ダース)
1ダース(12)
1箱中コンドーム50個

1カートンの中に3万個のコンドーム。これが2カートン分
つまり6万個のコンドームをもらって100個くばったわけだ。

2ヶ月たった今もオフィスにそのままの何もされないままおいてある。


ウチのNGOはUNの方向か、村人の方向かどっちを向いているのだろうか。

そして、裁ききれない=ウチのNGOの援助吸収能力の低さ
さらに、援助側のモニタリングの欠如なんかを考えてしまう。

かといって、「これ以上の援助効果とモニタリングが可能か?」と問えたとしてもこれ以上は不可能ではないだろうかと思う。
UNからウチの村にまたくるの?
3万個も配れるほど人はいないよ?
配っても、それってちゃんと使われてるの?
このあたりが国際協力の限界であり、この被援助側の能力と仕事効率にあわせて援助側は仕事をする必要があると思う。

まーそういっても、それってすごいストレスのかかることなんですけどね・・・

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